2006-01-01から1年間の記事一覧

上野千鶴子さん

18世紀、それは犯罪だった。19世紀、それは病気だった。20世紀、それは変態だった。わたしが愛したひとが、わたしと同じ性に属するだけで、どうして排除されなければならないのか。そんな時代に二度と来てほしくない。

フランソワ・デュ・ボワさん(作曲家、マリンバ奏者、キャリア・デザイン研究家)

実は、ボクがフランスにいた頃、10年にわたって同性愛者から逆差別を受けていました。(フランスの芸術関係は特に、結託している同性愛団体がとても多いのです。)自分がゲイではないということで、理不尽にキャリアの邪魔をされたことがたくさんありました。…

櫻田宗久さん(写真家)

普通でなかった僕は、普通に憧れて、「人と同じがいい」と思うような子どもだった。その為には沢山嘘をつかなくてはいけないので、いつの間にか大嘘つきになってしまいました。大人になるに従って、それがとても悲しい事だと気がついて少しずつ、修正してい…

河口和也さん(広島修道大学教員)

大学での授業で学生たちに同性愛についてどう思うかたずねてみると、「恋愛は自由なので、同性愛を差別してはいけない」とか「いろんな人たちがいてもいいと思う」というような意見が多い。 では、「自分の親や兄弟姉妹のなかに同性愛者がいたら?」という質…

博多あややさん(ゲイアイドル)

ゲイイベントではないイベントに出演した時、ホモフォビアの人には必ず嫌厭される。 でも自分の意志は変わらない。自分のコンセプトも変えない。 すると何かをきっかけに、嫌厭から歓迎に変わる。その瞬間「やってよかったな!」と思える。 より多くの人に「…

小熊英二さん(慶應義塾大学総合政策学部教員)

『東海道中膝栗毛』のヤジさんとキタさんは、恋人どうしの関係であったと作品の最初の人物紹介のところで書いてある。江戸時代の人たちは、それを読んでも何とも思わなかった。日本にホモフォビアの傾向が現れてくるのは、明治以降だというのは定説だ。 この…

井上隆史さん(白百合女子大学教員)

「汝の敵を愛せよ」と言いますが、この言葉の思いがけない解釈を聞いたことがあります。憎しみの対象、嫌悪や恐怖の対象としての敵は、どこにいるのか? それは、私の外にではなく、私の内部に存在しているというのです。ですから、敵を愛するということは、…

長谷川博史さん(日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス代表)

日本社会に通奏低音のように流れるセックスフォビアにまぎれてホモフォビアの存在は曖昧になる。しかし、エイズというゲイを襲っている病を直視する時、その存在の大きさが見えてくる。 現在もエイズ患者の報告数は右肩上がりで上昇し続けている。これは早期…

Swing MASAさん(Jazz saxophonist)

私は、アンチヘテロ!ホモフォビアフォビア!はぁ? とかいってしまいたい。が、ヘテロが何か、LGBTは、何の略か、ホモフォビアってどういう意味なのか、そういった事が、話題にもならないくらい日本の状況は、保守的な、異性愛者の当たり前がまかり通ってい…

今野卓さん(会社員)

私自身、つい数年前までホモフォビアという言葉さえ知りませんでした。自分がゲイであることを異性愛者のみならず、同じ同性愛者にさえ、本当は知られたくない、という気持ちが強かったのです。私は、心底、孤独でした。しかし、とあるきっかけから、学生時…

牟田和恵さん(大阪大学教員)

「ゲイ・レズビアンの人への差別は良くないと思うけど自分はそうじゃないから関係ない」「性的な指向は『私的なこと』で個人の自由だからとやかく言えない」--こんな風に考えてる人も多いのでは?あからさまな差別や偏見に比べれば「まし」かもしれないが、…

森屋裕子さん(NPO法人フィフティネット)

誰かが自分とは違うセクシュアリティを持っている・・・このことで、私たちは何か 「被害」を受けているのだろうか。受けてはいない。私はヘテロセクシュアル、あの人はホモセクシャル。数が多いか少ないかだけのことで、それ以上でもそれ以下でもない。それ…

針間克己さん(精神科医)

社会や個人が抱えるホモフォビアは、ひとり一人のセクシュアリティの健やかな発達を妨げる要因となります。ホモフォビア自体は、セクシュアリティに関する正確な知識の欠如や認知の歪みによって、進展していくものです。正しい知識や理解が広まり、ゆがんだ…

諸橋泰樹(もろはしたいき)さん(マスコミ研究者・女性学研究者)

メディアにおける、同性愛嫌悪に基づく心ない表現は後を絶ちません。テレビではタレントの無教養と偏見がもたらすからかいの番組や発言が、雑誌ではライターや編集者による半確信犯的差別記事が、そしてインターネット上では確信犯による差別発言が、多様な…

北丸雄二さん(ジャーナリスト・作家)

ホモフォビア(同性愛恐怖症)に関していえることは昔から同じです。それは病気です。フォビアとは病気なのです。病的な嫌悪感、恐怖心。いろいろなフォビア(恐怖症)があります。広場恐怖症、閉所恐怖症、高所恐怖症というポピュラーなものから雷光恐怖症…

サンダース宮松敬子さん(カナダ、ジャーナリスト)

カナダは去年7月同性婚法が成立した。国家単位で見ると、これはオランダ、ベルギー、スペインに次いで4番目の国である。だが残念ながら、今春から保守党が政権を握り、同法案の先行きに多少の翳りも見られる。しかしこの法律が成立したとき、当時の自由党内…

堀江有里(ほりえゆり)さん(日本基督教団・牧師)

レズビアンとしてカミングアウトして生きることで、たくさんの思いがけない“出会い”を与えられてきました。しんどいことも、ある。苦しいことも、ある。でも、いくつもの“出会い”はわたしにとっての“宝物”です。その“宝物”は、この日本でも、きっとホモフォ…

上川あやさん(世田谷区議会議員)

昨夏、視察先のバンクーバーで、難民条約を批准しながら難民をほとんど受け入れない日本政府の姿勢を批判したらある議員は言った。「そんなに日本が嫌なら出て行きゃあいい」。同地の治安の悪いエリアを歩いているときその議員は言った。「ここは新宿2丁目…

ロニー・アレキサンダーさん(神戸大学大学院教員)

Act Against Homophobia DayCelebrate life! 私はこのことばが大好きです。地球上にさまざまな生き物がいることは、どんなにすばらしいことでしょう!多様性が私たちの生活や創造性、感性を豊かにし、こころを広げてくれます。逆に嫌悪感や憎しみは、人間の…

かじよしみさん(カミングアウトコンサルタント)

15年ほど前に、それまで異性愛があたりまえと思っていた自分の間違いを指摘され、また、自分の中に深く染み付いていた同性愛嫌悪の感情に気付かされました。私こそが同性愛者の方々にとって居心地の悪い社会を再生産していた張本人だったということを教えて…

井上輝子さん(和光大学教員)

人々の性は、きわめて多様なので、誰が性的少数者かとは、一概に言えないと思いますが、一般的用法に従って、自分のセクシュアリティが同性に向いている人、自分のジェンダー・アイデンティティに不具合を感じている人などを、性的少数者と呼んでおきます。…

平良愛香さん(牧師 「キリストの風」集会代表)

人が自分と異なる存在を怖れるのは当然のことかもしれない。理解し合えないような気がするから。でも、人間は少しずつそれを乗り越えてきた。だからこそ共に生きることができるようになってきた。不安と嫌悪、それは人間がより豊かな関係を築けるようになる…

ミヤケマイさん(絵描き)

人の心は空の雲のようにかわっていく、悲しくても、恐ろしくても、ありがたくも、とどまりはしない。コーヒーカップや龍やもっと、もっとみたこともないものにもなれる。人は見たいものしかみない、見ないようにしているもの、憎しみや恐怖は、自分の形をな…

出雲まろうさん

今の世の中は、極端なまでのヘテロセクシズム文化教育によって、異性愛者はその存在を問われません。その半面、性的マイノリティだけがいつもその存在を問われるよう仕組まれています。こうしたヘテロセクシズム社会内部に深く根ざした、いじめ、暴力、人権…

大藤恵子さん(アメリカ、ベイツ大学教員)

大阪に留学しているアメリカ人の女子大生が、日本人に「今、デートしている人がいますか」と聞かれ「彼女がいます」と答えたとき、「あなたの日本語は間違っていますよ」と言われたという話を聞いた。その日本人に悪気はなかったのかもしれないが、正に「無…

田中かず子さん(国際基督教大学教員)

男色の伝統を持つ日本では、西欧のホモフォビアとはちがうけど、日本も近代化のプロセスで「日本版」ホモフォビアを形成してきたのです。そして今では、異性愛者も性的マイノリティもみんな、程度の差こそあれしっかり内面化しているといえます。自分の中で…

河地和子さん(大学教員)

「世の中は多様性を認めるようになった」「ひとり一人の個性を認めるようになった」。最近そのような印象を持っている人が増えているが、本当に多様性が認められ、個性が偏見なく受止められている社会になっているのだろうか? 同性愛者に対する社会の偏見を…

坂上香さん(映画監督・京都文教大学教員)

私とホモフォビア 大学時代の友人ホセはゲイだった。彼とは授業後にはいつも飲みにでかけ、週末は踊りにいったりするぐらい、仲が良かったのに、気づいていなかった。ある日、私のジョークに彼は激怒した。詳細は忘れたが、セクシュアリティをネタにしたジョ…

辛淑玉さん

太陽の下で人を愛したい。それは、私の想いだった。誰にはばかることなく手をつなぎキスをし愛を確かめあえる生き方がしたかった。 出自も、名前も、感情も、価値観も何もかもさらけ出し、怯えることなく、人目を気にすることなく、祝福されたい。だのに自分…

永易至文さん(フリーランスライター/編集者)

ホモフォビアは、同性愛嫌悪と訳されますが、多くの日本人にとって同性愛を「嫌悪」したり「憎悪」するという激しい感情は、あまり経験することがないかもしれません。嫌悪したり憎悪するほどハッキリした対象として、日本では同性愛(者)が認識されていな…