ミヤケマイさん(絵描き)

人の心は空の雲のようにかわっていく、悲しくても、恐ろしくても、ありがたくも、とどまりはしない。コーヒーカップや龍やもっと、もっとみたこともないものにもなれる。人は見たいものしかみない、見ないようにしているもの、憎しみや恐怖は、自分の形をなにより正確に定義してくれる影だ。影を眺めることで自分の形がわかる、自分の影を見つめない人ほど、他人にも無関心なのである。虹のグラデーションのように全ての人は明度も彩度も違う、それらがすれ違い、出会いながら玉虫色に変色しながら虹をつくる。虹は一色では虹になれない、だからこそ人を動かす力を持つ。麓にはきっと金銀財宝が眠っているにちがいない。