田中かず子さん(国際基督教大学教員)

Tanaka 男色の伝統を持つ日本では、西欧のホモフォビアとはちがうけど、日本も近代化のプロセスで「日本版」ホモフォビアを形成してきたのです。そして今では、異性愛者も性的マイノリティもみんな、程度の差こそあれしっかり内面化しているといえます。自分の中で「自然」と化しているホモフォビアを、意識化していこう。性差別を問題にしていこうとすると、いつの間にか異性愛主義の女性たちの影にレズビアンの女性たちは不可視化され、性的マイノリティの問題を取りあげて論じていると、ゲイ男性の影にレズビアンは不可視化される。だから、このホモフォビアに挑戦する運動では、レズビアンが見えなくならないように、意識して運動をつくっていこう。そして、「女」「男」という性別二元論にとらわれない生き方を模索したい。“Act Against Homophobia”のこの企画を、心から応援しています。

国際基督教大学ジェンダー研究センター センター長
ジェンダーセクシュアリティ研究プログラム コーディネータ