モスクワ・プライドが潰されました

Moscow【モスクワ28日共同】

同性愛者の権利擁護を訴えるデモを強行したロシアや欧米の活動家らがモスクワ中心部で27日、警官隊と衝突、インタファクス通信によると約120人が拘束された。デモを実力で解散させたロシア治安当局の対応をめぐって、欧米の批判が強まる可能性もある。

活動家らはデモの許可を申請したが、モスクワ市は拒否。しかし市中心部に集まった約200人のうちの一部が第2次大戦の戦死者を顕彰する、クレムリン脇の「無名戦士の墓」に花束をささげようと移動を開始し、阻止しようとしたネオナチ・グループと小競り合いになり、周辺に配置されていた警官隊が参加者を次々に拘束した。

英国人活動家はロイター通信に対し「平和なデモがファシストや警官の手で鎮圧された。ロシアの恥だ」と治安当局の対応を批判した。

http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006052801000100.html

日本と同じように、ホモフォビアをなくそうと活動していたロシアの人たちが、暴力的な弾圧にあったのです。本当に心が痛むニュースです。このモスクワ・プライドを主催していたニコライ・アレクセイエフは、4月初めに行われたジュネーブのILGA世界会議で、日本のLGBTに向けて連帯のメッセージを送ってくれています。

Cap001(日本のLGBTへのメッセージとして)自分たちの権利のために闘おう。自分たちの平等のために闘おう。日本は裕福な民主主義国家だと思うし、私は東京でレズビアンゲイパレードが行われていることを知っている。日本でも、もっと社会に対して見える存在になるべきだ。一緒に頑張ろう。」

このニコライ自身も、モスクワ警察に連行されたとの情報が入っています。胸にレインボーのバッジをつけた、この穏やかな人が、なぜ、こうした暴力にされされなければいけないのでしょうか?

(続報)モスクワ市長が当初計画していたパレードを許可しなかったため、主催者たちは献花等の平和的なアクションを計画していました(「デモを強行」したという報道は、正確ではありません)。そこに、極右団体や宗教関係者が攻撃をはじめ、警察も暴力的に参加者を拘束したそうです。そもそも人権をアピールする平和なパレードを許可しなかったことも問題なら、参加者を守るべき警察が、参加者への暴力を黙認したことも問題です。拘束された人々は解放されたそうですが、こうした人権侵害が2度と起こらないよう、ロシア政府に強く抗議したいと思います。