わが国に同性愛に対する偏見や差別があることに異論はない。しかし、欧米のような、 宗教に根ざした確固たる信念としての「ホモフォビア」があるとは、私には思えない。
日本にあるのは、それとは異なった、境界線のつけにくい、実体のはっきりしないも のだと思う。それを、わざわざ「ホモフォビア」として顕在化させ、(仮想)敵とすることに、いくらかの抵抗を感じる。まずは、私た ちの戦う相手が何者なのか?それを見定めることから始めていくことも必要なのではないか。
とはいえ、現在、私たちのまわりにある偏見や差別を黙認してはいられない。戦う相手をまちがえずに、共存の道を探っていけたらと切に思う。